~あらすじ~

第一章「新・治金丸伝説」

(通常公演)

西暦1523年。

空手の始祖『京阿波根』は、国王の命により刀の研磨を命じられた。

その刀は琉球忍者宝刀の一つ  「治金丸(じがねまる)」

 

王命を受けた京阿波根は、治金丸を持ち、京都の研ぎ師の元へと向かう。

しかし、彼は宝刀を狙う二つの影に気づいていなかった。

 

治金丸を奪い、護佐丸亡き後、中城の再興を目論む「護佐丸忍軍」

逆臣として葬られた阿麻和利の敵討ちを謀る「阿麻和利忍軍」

 

三つ巴の戦いを制し、最後に「治金丸」を手にするのは・・

これは、歴史書「球陽」に隠された、宝剣「治金丸」を巡る戦いの物語

 

【ネタバレ注意】

「新・治金丸伝説」概要

 この物語、歴史書『球陽』に記された空手の始祖「京阿波根」と琉球王国に伝わる宝剣「治金丸」の伝説を基に創られた物語。

 

物語の元になった伝説京阿波根と治金丸』

 第二尚氏時代、京阿波根実基(きょうあはごんじっき)は尚真王の命令で王家の宝剣「治金丸」を研ぎに京都へ渡航し、京の研ぎ師に研がせた。

 しかし、研ぎ師は偽物にすり替えて京阿波根に返却した。京阿波根はそれとは知らずに帰国したが、帰国後に偽物であることが発覚し、尚真王は彼に本物を探すように命令した。

 再び上京した彼は、滞在すること3年にして、ようやく件の研ぎ師を捜し当て、本物の宝剣を取り戻すことができた。尚真王は大いに喜び、褒美に京阿波根に領地を与え、新たな位階を授与した。しかし、その後、 京阿波根は名声の高さから恨みをかい、 た真面目な性格が災いし、言いがかりをつけられ、 ついに首里城で暗殺されてしまった。

 

伝家の宝剣「治金丸」

 治金丸の逸話として宮古島平良の北に、轟音と閃光が現れ、翌朝に宮古島の豪族・仲宗根豊見親がその場所でこの宝剣を見つけ出した。

 それ以降災いにあうことはなく、伝家の宝剣としたが、凡愚の所有するものではないと(1522年)に中山王に献上した。ところがその帰りに難破して多くの死者をだした

という記述が「球陽」にも残されている。

 

空手の始祖「京阿波根」

 16世紀前半の琉球王国の武術家。元は阿波根地頭職の任にあったが、「治金丸」を京都から持ち帰ったのちに「京」を冠し、「京」阿波根と呼ばれる。

 京阿波根が暗殺された際、「建極、手に寸鉄無く、但空手を以て童子の両股を折破し」と『球陽』の記述にあり、京阿波根が、「空手」でもって暗殺者の童子の両股(りょうもも)を折った様子が記されている。

 この逸話から、沖縄最古の素手の武術家。沖縄武術「手(ティー)」の始祖といわれている。

 

今作の琉球忍者・・・歴史に残る京阿波根伝説の裏で、暗躍した影の集団

護佐丸忍軍・・・中城按司・護佐丸亡き後、伝家の宝剣「治金丸」を手に入れ、再び琉球王国で名を挙げ、勢力拡大を図る為に組織された諜報・暗殺部隊。

阿麻和利忍軍・・・護佐丸軍同様に勝連按司・阿麻和利亡き後、逆臣として葬られた阿麻和利の敵討ちを謀る諜報・暗殺部隊。

童子・・・何者かの命により、京阿波根暗殺を行ったもの。

(琉球での「童子」とは「少年」という意味、20歳あたりまでも含む)

念仏者(ニンブチャー)・・・人がなくなるとそこに出向き、念仏で死者を弔う人々。他にも、門付け芸や人形芝居を行う「京太郎(チョンダラー)」という名前をもち、村々を渡り歩いては情報収集をし、給金をもらっていた。

第二章「新・北谷菜切伝説」

(特別公演)

へいよー へいよー たっちょんどー みみちりぼーじぬ たっちょんどー

 

むかしむかし、沖縄を血と満たした妖怪「耳切坊主」は伝説の忍者「ニンブチャー」によって退治されたはずだった。 しかし、妖怪「耳切坊主」は今もまだ消えていなかった…

 

耳切坊主は「北谷菜切」という、振るだけでなんでも切れてしまう不思議な力を持った刀を手に入れ、伝説の忍者を倒し、再び沖縄を恐怖で満たそうとしていた。

そうとはしらない、伝説の忍者の孫「忍者兄妹」は、今日も手裏剣の修行

 

はたして、彼らに沖縄の平和を守れるのだろうか!?

【ネタバレ注意】 

「新・北谷菜切伝説」概要

 妖刀「北谷菜切(ちゃたんなーちりー)」の 昔話と妖怪「耳切坊主(みみちりぼうじ)」昔話を基にした創作劇。

 

物語の元になった伝説

妖刀 北谷菜切(ちゃたんなーちりー)

 琉球王国三大宝刀の一つ。伝承では、北谷の農婦が包丁を振ったところ、触れてもいないのに赤子の首を切って殺してしまった。

 取調べを受けたが無実を訴え、役人が試みに山羊に向かって包丁を振ったら 同じく首が切れ、そこで農婦は放免された。

 この包丁を刀に鍛え直したものが、北谷菜切であるという。

 

妖怪「耳切坊主」

 伝説では琉球王朝時代に首里にいた黒金座主(くるがにざーし)という僧の事。

 その僧が怪しい術を使って女性をたぶらかし襲っているという事に怒った琉球王が北谷王子に彼の殺害を命じた。

 北谷王子は黒金座主に囲碁の対局を持ちかけ、黒金座主は両耳を、北谷王子は髷をそれぞれ賭けた。黒金座主が怪しい術で北谷王子を眠らせようとしたところ逆に北谷王子が黒金座主の両耳を切り落として殺した。

 その後、黒金座主は幽霊となって北谷王子の住む大村御殿を囲う石壁の角に夜な夜な現れた。またそれ以来、大村御殿には男の子が生まれるとすぐ死ぬという事が続き黒金座主の呪いだと言われたという伝説である。

幽霊は別として登場人物は実在しており十八世紀頃の事とされる。

 

本編解説

琉球忍者…念仏によって霊を鎮魂する「念仏衆(ニンブチャー)」として、何度も甦る耳 切坊主を、念仏によって代々封印してきたものたち。今回は未熟な忍者兄妹が耳切坊主退治を任される。

北谷菜切…耳切坊主を退治したとされる妖刀。この刀を振るだけで触れていなくても切れてしまう。現在は年に一度、博物館で展覧会が行われている。

耳切坊主…元々は「黒金座主」という坊主だったが、悪さばかりしていた為、琉球国王の命により、北谷王子の持つ北谷菜切で耳を切られ死亡。しかし、北谷王子と琉球国王への怨みから妖怪になった。北谷王子の子供たちを呪い殺すも念仏衆に退治され封印される。今回は念仏衆に復讐するため北谷菜切を手に入れる。 

耳切坊主の手下…妖怪。元々は酒好きな僧兵、男好きな祈祷師。 

鎮魂の儀…悪霊を封印の儀式として、念仏踊りを起源にもつエイサーを踊る。